【アメリカでER緊急救命室体験】ニューヨークの病院の医療費はやっぱり高額だった

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文化(アメリカ・NYC)

オリビアです。

日本にお住まいの人でもアメリカの医療費が高いという話は聞いたことがあると思います。

私もこれまでアメリカの病院の医療費エピソードについては噂程度ですが色々聞いていました。

例えば、
・アメリカでは虫歯1本の治療に10万円かかる
・アメリカで病院にかかるのが恐ろしく治療のためだけに日本に一時帰国をした留学生がいる
・大怪我をしているのに医療費が払えないため病院に行かず、自分の自然治癒力を信じて過ごすアメリカ人

などなど。

そして私自身も実際アメリカの病院(ER)で治療を受けましたが、医療費はやはり本当にバカ高かったです。(暴言失礼!)

今回は、医療費のこと含め、腹痛で緊急救命室(いわゆるER)に運ばれた時の経験を書いてみようと思います。

詳細書くので長くなるはず・・。

アメリカで急病に!1件目の病院では治療受けられなかったが医療費は?

あれは2年前の夏でした。

数日間続いていた腹痛にどうしたものかと悩んでいたのですが、
ある朝突然激痛レベルの頭痛、高熱と尋常じゃない腹部と腰回りの痛みに耐えかねて病院に行くことに。

一度行ったことのある病院に電話して事情を話すと受付の人が「ウチの専門じゃないかもしれないけれど、先生に診てもらうことはできるからそれでも良ければどうぞ」と言ってくれました。

そこは渡米直後体調を崩した時にすごく親身になって診てくれたところだったので一安心。

ところが、死にそうになりながら病院に行ったもののやはり専門外とのことで治療はしてもらえず、診察室に入ってからものの3分ほどで返されました。

それどころか、

「脈拍が通常の倍以上あるじゃないか。しかもこんな高熱になるまで放置しておくなんて君は何を考えているんだ!
さっさと専門医にかかりなさい。
このままだと本当にまずいから今すぐに救急救命室に行った方がいいよ。
手遅れになる前にね。」

と恐い顔をして言うお医者さん・・・。(前回はすごくニコニコだったのに!)

どこか近くに良い病院があれば教えてほしかったのですが、「家の近くでもどこでもいいから一刻も早く探していきなさい」とのことだったのでなんとなくそれ以上聞けず病院を後にすることに。

付き添ってくれてたパートナーに事情を話すと、慌てて近くの病院に電話をかけ、すぐ受け入れてくれるか交渉をしてくれましたがなかなか見つからず途方に暮れる私たち。

結局停車したパトカーの中にいた警察官におすすめの病院を教えてもらい、タクシーでその病院へ行くことになりました。

ちなみに1件目の病院では熱を測って脈拍数を確認されただけだったのですが、後日初診料の請求書が届きました。

その額2万円弱
おそるべし・・・アメリカの病院。

(パートナーの保険ネットワーク内だったので自己負担額はほぼゼロだったのですが。)

アメリカニューヨークで人生初の緊急救命室(ER)


ニューヨーク、マンハッタンにある病院の救急救命病棟の目の前でタクシーを停めてもらい、ふらふらしながら受付へ。

私の体調の悪さに気付いた受付の女性が「ソファに座ってていいよ」と言ってくれたので受付はパートナ―に任せて椅子に座って待つことにしました。

病院の待合室の中は20人ほどの患者さんとその付き添い人たちでいっぱいでした。

その人数を見て、暫く自分の番は回ってこないだろうということは理解したのですがやはり私の名前が呼ばれたのはかなりの時間が経過してからでした。(痛すぎて正確な時間は把握できず)

その間にも腹部と腰の痛みは増すばかり。

さらには全身に痺れも出て来て、座った姿勢をキープするだけで精一杯でした。

ようやく診察室に呼ばれ、中に入るととても感じの良い女医さんが身長や体重、症状を尋ねてきました。
医療用語なんて全然知らなかった私はつたない英語で一生懸命説明。

女医さんは明るい表情で真剣に耳を傾けてくれながら書類に内容を書き込んでいました。

その後検温、心拍数の確認。
やはり1件目と同じく心拍数は標準の倍ほど。

呼ばれるまでまた待合室で待つように言われたのでお礼を言って外へ。

アメリカに来てからアメリカのサービスの悪さにうんざりすることが多かったのですが、ここではあまりにスタッフの人たちが感じ良いのでびっくりしました。
体調が悪い時に優しくしてもらえるとホッとします!

それから30~40分後が経過し、今度はもっと奥の部屋に入るように促されました。
どうやら先に入ったのは問診のための部屋で、次は本格的に治療するための場所のようです。

車椅子が必要か尋ねられましたがまだどうにか歩けそうだったので丁重にお断りし、ゆっくり歩いて奥に向って歩きました。

両側から私のパートナー、そして看護師さんが支えてくれました。
奥への入り口を抜けると、そこは広い広い空間で、廊下には何台もの担架ベッド、そして詰所、幾つもの治療室のようなものが並んでいます。

まさに、ER(緊急救命室)!
ドラマで見た世界がそこに広がっていました。

アメリカのER緊急救命室で治療!病院のスタッフは皆フレンドリー

その空間に入った途端、手術着のような割烹着みたいなものを着せられ、担架ベッドに寝かされました。

そして、女医さんにその日の日付と自分のフルネームと名前のスペルを尋ねられました。
意識がはっきりしているかどうかの確認だったようです。

その後、洗面所で採尿してくるよう指示があり、それに従う私。

激痛であまりにフラフラだったため、パートナーに付き添ってもらっての採尿です。
・・・誰かと一緒に洗面所に入るなんて子供の頃以来でしたが、正直助かりました 笑

採尿後は2本の注射(異常に太い針だったそうです)を打たれ、担架ベッドの上で体中に何やらシールのようなものをペタペタと貼られました。

そして部屋に来てくれたドクターに色々質問をされました。
その中で驚いたのが、「最近パートナー以外の人と性的な関係を持ったことは?」と聞かれたこと。

思いがけない質問に動揺しながら「え・・・一度もないです!」と答えると、
「これ、聞かなきゃいけないから聞いてるだけなの。突然こんな質問びっくりしたよね、ごめんね」とお茶目に笑うドクター。

まさかそんなこと聞かれると思ってなかったのでびっくりしました 笑
しかしながら、この病院に来てから色んなスタッフの人にお世話になったけれど、誰一人として疲れた顔を見せないのが本当に驚きでした。

毎回違うスタッフが入れ替わり立ち代わりやってくるのですが、みんなニコニコ明るい笑顔で自己紹介をしてくれるのです。

相変わらず体調は最悪で、気合いを入れておかなければその場で気を失うんじゃないかと思うほどの激痛と戦っていましたが、病院スタッフの皆さんがとても感じが良いので物凄く救われました。
日本でいたころの病院のイメージというのは難しい顔でぼそぼそつぶやくように話すお医者さんと、忙しさに疲れ顔の看護師さんたちという感じだったのですが、ここの病院は全く違うので驚きました。

全員が全員、明るく笑顔で接してくれて、患者を不安にさせるような素振りは一切見せないのでした。

アメリカの病院(ER)で人生初の内診

その後、看護師さんがやってきて下半身丸裸になるよう指示されました。

これはもしや内診?!と少々動揺したものの、あまりに痛いので「なんでもいいから、悪いところがあるのなら全部調べて下さいーー!」という気持ちで下半身真っ裸に。

するとしばらくして優しそうなドクター(これまた初対面)が現れ、自己紹介と症状が現れた時からの詳細説明を経て、ついに内診です。

内診のためのベッドに移動したら「少し痛いかもしれないけれど我慢してね」と言われ、ドキドキしながら覚悟を決めます。

色々調べてくれていたようですが、思ったほどの痛みではなかったのでホッとしました。

ドクターは私の下半身にシーツをかけて、「お大事に。少し待っててね」と言い残し退室。

アメリカでの初の内診はあっさりと終わりました。やれやれ。
ちなみにこの時の内診は、私にとって人生初の内診体験でもありました・・・・。



ER緊急救命室スタッフはとても親切だが放置プレイが半端ない

この後、別のスタッフが私のパートナーを部屋に呼んでくれ、久しぶりにパートナーと対面。
しばし会話をしました。

「内診あったよ~」なんて報告をしていたらさらにまた初対面のスタッフが薬と水を持って来てくれ、それを飲み干したら次は点滴です。
この病院に来てからというものあちこちに針を刺されまくりな私ですが、腹部と腰の激痛の方がすごくて腕に刺される針の痛みはまったく感じませんでした。不幸中の幸いですね。

点滴中、まだなお続いている激痛とその疲労からか、唐突に睡魔が襲ってきました。

「今寝たらもう二度と目が覚めないかも」と少し思ったりもしたのですが、あまりに眠くてそのまま少しの間寝てしまいました。

幸い、無事目が覚め、またしばしパートナーと会話。

しかし1時間経っても2時間経っても誰も来てくれないのでどんどん不安になってきました。

良い病院なんだけど、放置プレイがすさまじいです!!
夫に聞くと、私が眠っている間も誰も来なかったらしいし。

とはいえ、患者は大勢いるわけで、私一人にかかっているわけにはいかないので仕方ないのですが・・・。

でも自分の体のことが気になって仕方がないわけよ!

途中で検温に来てくれた看護師さんをつかまえて、これまでの検査の結果について尋ねてみると、「血液検査の結果は悪くないみたいよ!」と教えてくれました。

ひとまず安心・・・。
でもまだ油断はできません。

この後はキャットスキャン(多分CTスキャンのこと)があるということで、別の看護師さんが超特大サイズのドリンクのようなものを持って来てくれました。

キャットスキャンまでの間に45分ほどかけてそのドリンクを飲み干せとのことですが、氷がたっぷり入っていて本当にめちゃくちゃ冷たいのです。

そのドリンクだけでなく、その病院で出される飲み物は全て氷入りで、身体が冷えてすぐお手洗いに行きたくなるのが大変でした。

さらに暴露すると、内診後シーツだけはかけてもらっていたもののまだ下半身マッパ状態でしたし、何より治療室はクーラーがかかっているし。しかも用事があるとき以外誰も来てくれないし。
もう何時間も下半身丸出しで放置プレイ状態です。なんてこったい。

うわーん!ママ助けて!( ノД`)シクシク…

しかし、そ点滴のおかげなのか、その前に飲んだ薬のおかげなのかわからないのですが、徐々にあの激痛が和らいできていることに気付きました。

あまりの激痛にずっとしかめ面だった私ですが、心なしか顔の筋肉の緊張も解けているような感覚がありました。

パートナー相手に少し冗談も言えるほどの余裕も出て来ていました。

痛みがないって素晴らしい!

トイレに行った時に病院の廊下で見た光景

正直死を覚悟したほどの痛みから解放されたのは嬉しかったのですが、クーラー×マッパ×大量のドリンクのおかげで案の定猛烈にお手洗いに行きたくなってきました。

しばらくは我慢していたのですがあまりに誰も来てくれないのでパートナーに看護師さんを呼んでもらうことに。

勝手にお手洗いに行っても良いか不安だったのと、この時点で私はまだ管で繋がれており勝手に動けなかったのと両方だったのですが、来てくれた看護師さんは快く「いいですよ。気を付けて」と管を抜いてくれました。

(というか、造影剤による副作用防止のためのドリンクなのに、尿と共に体内から出していいのか、という不安もあったのですが尿意には勝てず)。

数時間ぶりに病室を出てびっくりしたのは、空き部屋を待っていると思われる患者さんたちが廊下の担架ベッドの上でずらーっと寝かされていたことです。

中には骨が見えるほどの大怪我をしている人もいて、これが緊急救命室という場所なんだと実感させられました。

お手洗いの鏡で自分の顔を見ると、痛みから解放されて随分穏やかな顔をしている自分がいました。
でもこれからキャットスキャンです。まだまだ安心はできません。

うめき声を上げながら廊下の担架ベッドで寝かされている人たちの間を通り、病室に戻りました。
彼らがはやく治療を受けられますように!!

ここから更に待ちの時間がありました。

既に時刻は深夜、私が緊急救命室に来てから6時間が経過しているではありませんか。

そのほとんどが待ち時間だったのですが、痛みをなくしてくれただけで有難いので文句はいいませんよー。

そこから更に何十分かして、ドクターが部屋に入ってきました。

すかさずパートナーが検査結果について尋ねています。すると、「これまでやった検査の結果は良好ですよ。もうすぐキャットスキャンだからもう少し待ってくださいね」とのこと。

あれだけの激痛が続いていたわけだから何もないわけがない、大病かもしれないと思っていたので、ドクターの言葉に心から安堵しました。

アメリカの病院緊急救命室でキャットスキャンを受ける

それから更に30分だか40分だか待った後に、ようやくキャットスキャンの順番が来たとスタッフが車椅子を押して迎えに来てくれました。

生まれて初めての車椅子に座り、キャットスキャンの部屋の前まで移動し、ここでもまた数十分の待機。

私以外にも順番待ちをしている人が二人もいて、一人は私と同じ車椅子に乗っていましたがもう一人は担架ベッドに横たわったままでした。

普段私は健康優良児で病院とは無縁だったのであまり考えたこともなかったのですが、病院という場所にはこうやって常に体調の悪い人がいる、これが現実なんだなと考えさせられました。

その後私の順番になり、とても感じの良い男性スタッフが中から出て来て車椅子を押して部屋に連れて行ってくれました。
そして造影剤を静脈注射を打ったらキャットスキャン開始です。

中に入っている時、マイクで「息を吸って、止めて、吐いて」などの指示が入りましたが感覚としてはあっという間に終わりました。

スタッフの男性からは「造影剤の副作用を防ぐためにも明日は水分をいっぱい摂るようにこころがけてね。」と言われました。ハイ!しっかり水飲みます!

キャットスキャンを終え、また車椅子で元いた病室に戻ると、今度は検温と血圧測定が待っていました。

朝からずっと続いていた熱も平熱程度まで下がり、心拍数も落ち着いていたようでまたまた安心。

そして午前2時頃。初対面のドクターが部屋に入って来てキャットスキャンの結果を教えてくれました。

「異常はまったくありませんでした。もう大丈夫ですよ」
思わずパートナーと顔を見合わせる私。あの時の喜びは今でも忘れられません。

結局のところ子宮内の静脈肥大による痛みで、特に珍しいものではないとのこと。

ヤバい病気に違いないと心配していた私とパートナーは大喜びで何度もお礼を言って病院を後にしましたとさ。

(ただ、3日間は自宅で安静に療養しなければならないということで、パートナーの付き添いが必要なため、彼の職場宛てにその旨記載した書類の作成もしてくれました。)

病院を出た時には午前3時過ぎで、私がERに入ってから9時間が経過していたのでした。

この頃にはエンパイアステートビルディングのライトも消えていました。



アメリカニューヨークの緊急救命室で9時間滞在したら医療費の自己負担額

アメリカの医療費の請求書は後日自宅に郵送されます。(怖い!!)

私の場合は病院に行った日から約4週間後に請求書が届きました。

見て見ると、なんと自己負担の金額が6万円ほどでした。(もちろん全体の請求額は数倍)

私の場合、検査ばかりで治療らしい治療などは受けなかったのですが、それでも医療費がバカ高いと噂のアメリカ。
どれぐらいの金額になるんだろうと怯えていたのですが、まさかの6万。

6万で済むとは思っていなかったので本当に本当に嬉しかったです。

でも、虫歯1本で10万かかると言われているアメリカです。

まさか6万で終わるはずがない・・・?!と思っていたら案の定。

さらに1か月後、別の請求書が送られてきました。

中身を見ると、自己負担額が39万円!!

結局ニューヨーク、マンハッタンのERで9時間の医療費トータルは45万円ほどとなりました。

(9時間と言ってもそのほとんどが待ち時間・・・)

わーーーん!!!やっぱり!!!バカ高です。

しかしなぜ2度も請求書が届いたか・・・?

どうやらアメリカでは一度に請求されるのではなく、医師や検査機関から別々に請求書が届くのだそうです。

恐ろしすぎますね・・・。

私はパートナーの保険に入っていたので45万円程度で済みましたが、そうでなければこの数倍の金額を自費で支払わなければならなかったようです。

なにかと医療保険制度が問題になるアメリカ。

医療費の支払いで破産するってよく聞きますが、こういうことなんですね。

恐るべし、アメリカ!

アメリカに住んでいる人、今後住もうかなと思っている人はまず体を鍛えた方がいいと思います。
健康体を維持しないとエライ目にあいますのでどうか気を付けて・・・。

最後に、ERを出る前にドクターから「どうぞ持って帰って飲んでね」と渡されたジュースとクラッカー。
無事家に帰りついた時のことは未だにわすれられません・・・。

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